第25回 認知症治療~暮らし方の工夫~
暮らし方の工夫
認知症の治療は大きく分けて「薬を使う事」(薬物療法)と「暮らし方」(非薬物療法)があります。今回は、「暮らし方」について紹介します。
さて、突然ですが「人間は社会的動物である」という言葉を耳にした事はありますか?「人間はそれぞれの日々を送りながらも、同じ目標や目的を持つ人同士とつながる事で完成する性質を持つ」という意味です。つまり自分1人より誰かと2人、それ以上の人とつながり、人と過ごす事で、初めて良い暮らし方や活動が「より良い状態」になる事が出来ます。
ここで、「人とのつながり」を得る為の方法を3つ紹介させて頂きます。
認知症本人のつどい「サークルきばらし」
このつどいでは、「自分の将来の話」をしたり「簡単なスポーツ」に挑戦したり、活動は多様です。集まった皆さんがやりたい事を、どうすれば実現できるか皆さんと考えながら会を実施しています。
オレンジカフェ
このカフェはお茶と交流を楽しむ場で、認知症の人もそうではない人も一緒に「分かり合う事」を目的としています。市内に10カ所あり、誰でもどこのカフェでも無料で参加することが出来ます。カフェの店長は医療介護福祉の知識を持っています。「楽しめるだけではなく、タメになる」「話し相手と笑い相手に出会える」等のポジティブな場所作りに力とドリンクを注いでおります。一度ご来店してみてはいかがでしょうか?
チームオレンジひたちなか
ひたちなか市では、「チームオレンジ」と呼ばれるボランティア団体があります。「認知症であっても暮らしやすい社会になったら良いな」という気持ちで、「人の為に何かしたい」「認知症の事をしっかり知りたい」方々が集まっています。物忘れが気になる方も、そうでない方も誰もが気軽に参加する事ができ、イベントの企画や、傾聴ボランティア、認知症に対する普及活動を行っています。人と知り合い、活動に参加し、定期的に集まり、認知症に関する学びを深めて、よりアナタに磨きがかかるチャンスになるかもしれません。
さて、本記事の最後となりますが、認知症という病気はまだまだ難儀なものです。ただ、今の自分が「どのように暮らしていくか、暮らしたいか」を考える事は、誰もが出来るチャレンジです。ぜひ、病気に対し悲観的になるだけではなく、暮らし方に主な目線をおいて、あなた自身の生活を考えて頂ければと思います。
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