第22回 アルツハイマー型認知症の症状と対応
アルツハイマー型認知症について
アルツハイマー型認知症とは
脳の一部にアミロイドβなどの異常タンパクが集積することで脳細胞が破壊され、萎縮していくアルツハイマー病。進行し、脳の認知機能が低下して様々な症状が出現し、日常生活に支障がでてきた状態をアルツハイマー型認知症といいます。認知症のうちの6~7割を占めるとされています。
認知症の症状
中核症状
認知症の原因となる病気で脳細胞が障害され、その影響で認知機能が低下して起こります。認知症では必ず起こり、残念ながら努力で改善できるものではありません。
行動・心理症状
本人の生活や環境、周囲の人との関係などで出方は個人差があります。今まで出来ていたことが出来なくなり、失敗が増えるようになると本人も不安になります。さらに周囲から責められればストレスにより、いろいろな行動や心理症状となって現れます。よって、周囲の人の対応や環境をよくすることで軽減、時には消失することもあります。
症状と対応方法
記憶障害
物の置き場所が分からなくなったり、話したことを忘れて同じ話を繰り返したりします。数分前の記憶を思い出せなくなり、徐々に数日前のこと、過去の出来事が思い出せなくなってきます。
記憶障害の対応
同じことを尋ねることがあっても、初めて話すように繰り返し説明をしましょう。対応が難しい場合は、さりげなく別の話をふって話題を変えてみましょう。メモを貼ったり、いつも使う物は決まった場所に置くようにして、忘れても生活に支障がない工夫をしましょう。
見当識障害
「今はいつ?」、「ここはどこ?」、「あなたは誰?」というように時間、場所、人の順で分からなくなります。
見当識障害の対応
「おはよう、朝だよ」、「暑い夏の季節だね」、「娘の○○だよ」など会話の中にさりげなく情報を盛り込むようにすることをおすすめします。また、部屋に日光を取り込み、明るさから昼夜の区別がつくようにしましょう。季節感がわからない場合は、熱中症に気をつける必要があります。不適切な服装をしている場合には、「この涼し気な服、似合うと思いますよ」などと声をかけ季節に合った服装を選んでもらいましょう。また、自分の家ではないと思っている人に、「あなたの家です」と説得するのは難しいことです。家かどうかで言い争うよりも、「安心できる居場所づくり」をしてみましょう。家族の見分けがつかない場合、否定したり説得したりしようとせず、ご本人の訴えをよく聞いて、不安の軽減をはかりましょう。
もの盗られ妄想
財布など大切なものがなくなり(片付けた事や場所を忘れてしまい)、盗られたと思い込み、周囲に疑いの言葉をぶつけます。一番身近で介護を行っている方に強く出ることが多いと言われております。
もの盗られ妄想の対応
財布が見当たらないと話す場合は、「それは大変!」と共感してあげるのが良いでしょう。一緒に探し、本人が見つけ出せるように「この引き出しの中は?」と誘導したり、見つかったら一緒に喜んだりするのが効果的です。一緒に探す時は、本人が見つけられるように誘導するのがコツです。
対応方法のコツ
1.同じ方法でも上手くいったり、いかなかったりします。
試行錯誤しながら柔軟に対応することが大切です。
2.今まで出来ていたことが出来なくなって一番不安を感じているのは本人です。
家族も大変な思いをすると思いますが、本人の不安に寄り添いながら、本人のペースに合わせて見守ることも大切です。
3.認知症はその種類によって、治療や対応の方法がかわることもあります。
いつもと違うと感じた時は、出来るだけ早く受診をして、どんな種類の認知症かを調べる事が大切です。
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