第13回 不潔行為「弄便(ろうべん)」
弄便(ろうべん)とは
認知症の人の不潔行為として、「弄便 ろうべん」という行為があります。
弄便とは認知症の人にみられることが多い症状であり、下着やおむつの中に排泄した便を素手でいじったり、便を取り出して、自分の着ている衣類や寝具、周辺の壁などになすりつけることです。
原因
- おむつの中に便がでた時、お尻に便が付着した違和感や、おむつの中が蒸れるといった不快感があるため、それらを手で取り除こうとする。
- 排便の感覚が低下していると自分でも気付かないうちに、おむつに排便していることがあるが、その時、便を便と認識できず手で取り出して取り除こうとする。
- 便ということは認識できなくても、手についてしまったものを「何とかしなければ」という気持ちは残るため、自分で処理しようと試みるも、正しい方法がわからず、弄便行為につながる。
対応
- 弄便行為を発見した時、叱ったり攻めたりしてはいけません。認知症の人はどうすれば良いかわからない状態のため、叱っても効果はありません。言われた言葉は忘れてしまっても、叱られた相手に対する恐怖心や不快感は残るため介護を拒否するなど、その後の介護に支障が出る可能性が高くなります。
- 弄便行為を見つけたら、それ以上、家具や寝具などを汚さないよう、まずは便がついている手や体をきれいに拭き、着替えましょう。声の掛け方としては「服が汚れてしまったので、着替えましょうか。ついでにお風呂はどうですか」など、自尊心を傷つけないような言い方をしましょう。
改善に向けてのポイント
- 普段から消化の良い食品や、十分な水分を補給してもらうように心がけて、自然な排便を促し、下剤の使用を避けましょう。
- 弄便の原因と考えられる不快感は、おむつの中に排便することによってもたらされます。そのため可能な限りトイレやポータブルトイレでの排便が効果的です。たとえ認知症であっても、便意をもよおした時は、何らかのサインが現れることがほとんどです。排泄リズムや排便前の行動を観察して、排便のタイミングを見計らってトイレ誘導をすると良いでしょう。
- トイレでの排便が難しい場合はおむつを使用することになりますが、その際も排泄リズムや排便前のサインなどを把握し、排便に気付いたら、早めに取り替えましょう。
最後に
これらの不潔行為は、介護者の精神的なストレスが大きいものです。行為そのものや対応が難しい際の相談窓口を事前に確認しておくことが大切となります。
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