第16回 認知症の種類

ページID1005097  更新日 2022年1月5日

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認知症の種類と原因

認知症は脳の障害が原因で起こりますが、認知症の原因となる病気は多岐に渡り、現在では約70種類もあるそうです。

認知症は、その原因によって大まかに2つに分ける事ができます。

  1. 脳そのものが損傷して認知症を引き起こすもの
  2. その他の病気が原因で引き起こされるもの

1.脳そのものが損傷して起きる認知症には、アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症、脳血管性認知症があります。

アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症は、

脳細胞に不要なゴミとなったたんぱく質がたまり、脳を萎縮させ、機能を低下させるタイプの認知症です。一度たまってしまったゴミを取り除く事は出来ないので、発症すると完全に治すことは出来ません。
このタイプの認知症は、進行の速度を遅らせる事を目的として、薬物療法を考えます。

これらの認知症の治療に一番有効なのは、適切な対応とリハビリテーションと言われており、認知症の症状を和らげる効果が期待できます。

それぞれの特徴

それぞれの病気には特徴があります。

アルツハイマー型認知症

高齢の女性に多く発症するといわれ、また、認知症の中でも一番発症する可能性の高い病気です。物忘れから気づく事が多く、新しい記憶から徐々に古い記憶へと物忘れは進んでいき、日時、場所、人の顔…と、忘れていきます。

また、以前出来ていたことの手順や、物の使い方が分からなくなります。

進行していくと、次第に日常生活に必要なことが出来なくなり、意欲も低下する事で、自力での生活が難しくなります。

レビー小体型認知症

まじめな高齢男性に発症しやすい病気と言われています。

初期は物忘れはそれほどでもありませんが、「幻視」といって、実際には無いものが見える、または違って見える、という症状が発症します。

例えば、ふりかけがかかったご飯を「虫がいる」と言って食べなくなったり、天井の隅に人がいる、といった訴えをする事があります。また、パーキンソン症候群のような身体の動きの障害も出始め、表情が乏しい、転び易い、関節の動きが硬い身体の動作が緩慢になるといった症状が出てきます。

共に、適切なお薬の内服で軽快していく症状といえますが、日によって、または時間帯によって症状の出方が変わり、対応しづらい事があります。

前頭側頭型認知症

感情や判断力をつかさどる部位が萎縮する為に起こるので、気持ちのコントロールが苦手になり、その場の空気を読んで行動する事が難しくなってきます。欲しいものをかばんに入れてしまったり、他の人が悲しんでいるのに共感できずに大笑いしてしまったり、こだわりが強く、思い通りに出来ないと激しく怒ったりと、「変わっている人」と捉えられてしまう事もあります。

脳そのものが損傷を受ける認知症は他にもあります。

脳血管性認知症

脳梗塞、脳出血等により脳が損傷を受ける事で発症する認知症です。
損傷を受ける部位によって見られる症状は様々ですが、出来る事、出来ない事がまだらにでてきます。

治療としては、脳梗塞再発のために血液をさらさらにする薬や、脳出血の原因となる高血圧を予防するための降圧剤を飲んだりします。高血圧、糖尿病、高脂血症など生活習慣病が元になっているので、繰り返しやすく悪化し易いですが、その反面、予防できる認知症とも言えます。

その他の原因でおきる認知症もあります。
甲状腺機能低下やビタミン低下、栄養不足でも起きることがあり、その場合は必要な栄養やホルモンを足す事で回復します。
また、硬膜下血腫や正常圧水頭症のように、頭蓋内に血液や水がたまって脳を圧迫し、認知機能低下が見られている場合は、血液や水分を除去する事で回復します。

これらは、「治る認知症」ともいわれており、早い段階で、病院で検査をして対処することが大切です。

認知症はその種類によって、治療の方法や対応の方法がかわることもあるので、いつもと違
うと感じた時は、出来るだけ早く受診をして、どんな種類の認知症かを調べる事が大切です。

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