第19回 社会的フレイルから認知症の発症について
フレイルについて
フレイルとは
フレイルとは、「加齢により体力や気力が弱っている状態のことをいい、筋力や認知機能が低下し、「健康」と「要介護状態」の間の段階を指します。
身体的機能の衰えのみならず、精神心理的な衰えや社会性の低下などの多面的な問題を抱えやすいハイリスクな状態を意味します。
フレイルになると、認知機能が低下しやすく、認知症を発症するリスクが高いとされています。また、認知機能が低下すると筋力や身体活動量、ADL(日常生活動作)が低下し、フレイル状態を招きやすくなるといった悪循環となります。
フレイルの早期発見と適切な予防や改善をしていくことが大切になります。
社会的フレイルとは
社会的フレイルの定義は定まっていませんが、独居、外出頻度、友人の訪問、家族との接触などについての質問より2つ以上問題がある場合とされています。
人との会話や交流、社会とのつながりがなくなってしまう事によってもフレイルは進行していき、心身が健康であっても安心とはいえないので注意が必要です。
定年退職や配偶者との死別により、一人で過ごす時間が増える高齢者は多くなります。社会との交流が減少し、身体的機能の低下や認知機能の低下に伴い、認知機能障害や認知症を発症するリスクが多いとされています。
また、現在であれば新型コロナウィルスの影響に伴い、以前よりも人と会う機会が減っている現状があり、深刻化しています。
健康的に生きる意欲にもつながるため、高齢者の社会性を維持することはとても重要と考えられるでしょう。
簡易フレイルチェックシート
疲労感
気分が沈み込んで、何が起こっても気が晴れないように感じましたか?
はい・いいえ
筋 力
階段を手すりや壁をつたわらずに昇っていますか?
はい・いいえ
有酸素能力
1キロメートルぐらいの距離を続けて歩くことができますか?
はい・いいえ
活動量低下
1日のうち、座っている又は横になっている時間は、起きている時間の80%以上ですか?
はい・いいえ
体重減少
6ヶ月間で2~3kg以上の体重減少はありましたか?
はい・いいえ
※簡易フレイルチェックシートでは、3項目以上が該当すると「フレイル」と判定されます。
フレイルにならないために
フレイルになる前に予防し、またフレイルになった初期段階で気づき改善することが大切になります。
運動、栄養、社会参加において、気をつけるべきことを見ていきましょう。
運動
ウォーキングや体操などの有酸素運動を取り入れましょう。
しっかりと体を動かし、歩くことで筋肉を鍛えます。
足腰を鍛えることで血流もよくなります。血行促進は認知機能の低下予防にも効果的です。歩幅を広げて早足で歩くことがポイントです。
しかし運動がよいからといって、いきなり走ったり激しい筋トレをするとケガの危険がありますので注意しましょう。
まずは近所の散歩から始めて、慣れてきたら徐々に運動量を増やしていくことがおすすめです。
栄養
フレイル予防にはしっかり食べて栄養をとることが欠かせません。
バランスのよい食事を3食しっかりとりましょう。
特に、炭水化物、タンパク質、ビタミン・ミネラルを意識して摂取することが大切で、タンパク質は筋肉を作る重要な栄養素です。
さらにエネルギーとなる炭水化物、身体の潤滑油となるビタミン・ミネラルも必須です。
体重が減っていないかをこまめにチェックするようにしましょう。
社会参加
社会参加は特に心の健康につながります。身体の健康に気を配っていても社会参加がなくフレイルが進行してしまうことはよくあります。
地域の行事やボランティア活動に参加し、子どもや孫に会う機会を増やすなど積極的に人との交流を増やしていくことです。
これは、家族や周りの人たちが気にかけることでも改善できます。
今は気軽に外出できないような日々ですが、会えない場合にも手紙や電話などで連絡をとりましょう。
人とのつながりを維持することが、フレイル予防にはとても大切です。
引用文献
九州大学(簡易フレイルチェックシート)
参考文献
厚生労働省 介護ワーカー(厚生労働省委託事業)
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