第12回 失禁のある方への対応
「失禁」とは
自分の意志に関係なく便や尿が漏れてしまうことです。
普段は何気なく行っている行動ですが、体の様々な機能が働いて排泄は行われています。
排泄に必要な身体機能
- 飲む・食べる・話すなどの口からの機能
- トイレの場所を確認できる視覚機能
- 座る、立つ、歩くなどの下肢の機能
- ドアノブ、鍵の開閉、衣類の着脱、トイレトイレットペーパーの処理、清拭、水洗、手洗いなどの上肢の機能
- 「ためる」「出す」などの膀胱や腸の機能
- 「ためる」「出す」を制御する、尿意・便意を感知する、トイレが排泄場所と認識する、排泄の手順を整理し調整するなどの脳の機能
認知症の人は、排泄に必要な機能が障害されたり、排泄の流れを汲んで動けなくなることが原因で失禁が起きてしまいます。
対応
認知症の人の排泄への対応は、本人の個別的背景、排泄の習慣、機能障害の重症度に合わせて考える必要があります。
対応のポイント
(1)尿意・便意が不明瞭な場合
- 排泄のサインを確認する
- 排尿、排便パターンを確認し排泄を誘導する
- 排泄はある程度まとまった量が出ているか、残尿がないかを確認する
(2)トイレの認識ができない場合
- 照明の調整、トイレのマークの表示などの環境上の工夫をする
- 便器を目で確認してもらう
- メガネやハンカチを準備するなど本人の準備を行う
(3)衣服の着脱が困難
- ボタンやジッパーのつまみを大きくする
- ウエストゴムを調整する
- 男性の場合、足繰りにゆとりのある下着を選択する
(4)立ち座り動作が困難
- 手すりや補助便座など動作を助ける福祉用具を使用する
- 困難な動作のみ介助する
(5)手順が分からない
- 慣れるまで一緒に行う
(6)オムツをはずしたり、便を触ったりする
- トイレに行く予兆の可能性を検討する
- 早めに排泄物を処理したり、下着を変更したり不快を取り除く工夫をする
このように、介護者は、どのような場面や状況で問題が生じているのか、規則性と予兆を見出せるように関わっていくことが大切になってきます。
また、排泄の失敗を隠そうとする本人が下着を隠したりする事で介護者が負担を感じてしまいます。
誰がどのような負担を感じているのか、を整理して考える事も大切です。
さらに、本人ができる機能を評価して、自分でできるところはどんな事なのかを考えて対応できればどんな介助が必要なのかを見出す事もできるでしょう。
認知症地域支援推進員は、電話相談・自宅訪問を行っております。
お気軽にお住まいの地域を担当認知症地域支援推進員にご相談ください。
このページに関するお問い合わせ
高齢福祉課
〒312-8501 茨城県ひたちなか市東石川2丁目10番1号
代表電話:029-273-0111 内線:7231、7232、7233、7234
ファクス:029-354-6467
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。