第24回 前頭側頭葉変性症の症状と対応

ツイッターでツイート
フェイスブックでシェア
ラインでシェア

ページID1013838  更新日 2024年4月12日

印刷大きな文字で印刷

前頭側頭葉変性症について

前頭側頭葉変性症とは

前頭側頭葉変性症は脳の前頭葉と側頭葉が萎縮することで起こります。前頭葉は、脳の中で最も大きな部分です。言語、意欲、想像力、注意力、判断力、自制力、記憶力などをつかさどり、人格形成や社会性に関与します。側頭葉は、言語・記憶・聴覚などをつかさどる中心的な部位です。そのため、前頭側頭葉変性症を発症すると、これらが正常に機能しなくなることにより、行動障害や言語障害、記憶障害が生じます。

認知症の症状

中核症状

認知症の原因となる病気で脳細胞が障害され、その影響で認知機能が低下して起こります。認知症では必ず起こり、残念ながら努力で改善できるものではありません。

行動・心理症状

本人の生活や環境、周囲の人との関係などで出方は個人差があります。今まで出来ていたことが出来なくなり、失敗が増えるようになると本人も不安になります。さらに周囲から責められればストレスにより、いろいろな行動や心理症状となって現れます。よって、周囲の人の対応や環境をよくすることで軽減、時には消失することもあります。

 

症状と対応方法

同じことを繰り返す

時刻表のように決まった時間に同じ行動をとる「常同行動」も特徴的で、毎日同じ時間に同じコースを歩く、同じ服だけを着る、同じ物だけを食べる、同じ席に座りたがるなど、特定の行動パターンを繰り返します。

対応

行動を抑制されると大きなストレスになります。例えば、雨が降っている中、散歩に出かけると言うならば、カッパを持たせるなど、出来る限り本人のしたいことができる環境を整えましょう。一度決めた同じ行為を正確に繰り返すという特性を上手に利用し、一日の日課を壁などに貼り、食事、散歩、就寝時間にその都度に声を掛け続けると、決まった通りに行動できるようになることもあります。ただし、一度決めたルールを急に変更すると興奮させてしまう可能性があるので、ご家族にとっても負担のない日課を考えましょう。

脱抑制、社会のルールに反する行為、感情の鈍麻

理性や社会性を司る脳の前頭葉に障害が及ぶと社会的認知機能が低下します。TPOを考えない言動をする、抑制が効かず理由もなく激昂するなど、家族から見ると別人格になったかのようになります。また、店から物を持ってきてしまう、交通ルールを無視するなど「社会性を欠く」行動をとる、他人に共感できない、感情移入ができないなど、感覚が鈍くなることがあります。

対応

人格が変わったように見える激しい言動は脳機能の低下で感情のコントロールが難しくなるためで、本人に善悪の自覚はありません。発症年齢が50~60代と比較的若く、働き盛りの年代で発症することが多いことや、ご本人が「自分は病気である」という自覚がないこと、対応が難しい症状が多いことから、ご家族への負担は大きなものとなります。そのため、家族だけで抱え込まず、専門医や福祉のプロ、家族会など同じ境遇の方々と情報を共有し、連携していくことが大切になります。

対応の仕方

1.同じ方法でも上手くいったり、いかなかったりします。試行錯誤しながら柔軟に対応してください。

2.今まで出来ていたことが出来なくなって一番不安を感じているのは本人です。家族も大変な思いをすると思いますが、本人の不安に寄り添いながら、本人のペースに合わせて見守ることも大切です。

3.認知症はその種類によって、治療や対応の方法が変わることもあるので、いつもと違うと感じた時は、出来るだけ早く受診をして、どんな種類の認知症かを調べましょう。

 

 

認知症地域支援推進員は、電話相談・自宅訪問を行っております。
お気軽にお住まいの地域を担当する認知症地域支援推進員にご相談ください。

このページに関するお問い合わせ

高齢福祉課
〒312-8501 茨城県ひたちなか市東石川2丁目10番1号
代表電話:029-273-0111 内線:7231、7232、7233、7234
ファクス:029-354-6467
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。