市指定工芸品
20.木琴と扁額(もっきんとへんがく)江戸時代
湊中央1丁目(旧南水主町)の葵稲荷神社に保存されていたもので、木琴1点と扁額2点が指定されています。木琴は幅72cm(センチメートル)、奥行き26cm(センチメートル)、イヌエンジュ製の音板は17枚で、共鳴箱の中に音板と飾り板を収納することができます。水戸藩の船を管理していた御水主士(おかこし)たちは、水戸藩主の送迎や船の出帆時にこの木琴を演奏して、謡曲調の船歌を唄ったといわれています。扁額は水戸藩有船に掛けられていたもので、「君臣丸」(くんしんまる:軍艦)と「軽颺丸」(けいようまる:ようは風へんに易:遊覧船)という船名が彫られています。桜材製、黒塗りで文字が凹彫りされて金箔が貼られています。
21.懸仏(かけぼとけ)室町時代初期
青銅製で、直径10.1cm(センチメートル)、厚さ2mm(ミリメートル)、重さ150g(グラム)の円盤状の小型のものです。表面中央部に長さ3.2cm(センチメートル)、幅1cm(センチメートル)の観世音菩薩座像(かんぜおんぼさつざぞう)が鋳出されています。上部には2個の小穴があり、紐で掛けられたものと思われます。像の右側には「白羽大明神御正躰」、左側には「応永十八年(1411年)十二月吉日」、像の下に「家次敬白」と刻まれています。津神社に古くよりあったようですが、その伝来等についてはよくわかっていません。
22.湫尾神社蔵神鏡(ぬまおじんじゃぞうしんきょう)江戸時代初期
最大径24.6cm(センチメートル)の八稜鏡で、鏡背には鳥居の図柄のほか、「延宝五年(1677年)八月吉日」の銘が鋳出されています。水戸藩第二代藩主徳川光圀公より奉納されたもので、元禄年間(1688年~1703年)の鎮守帳に記載され来歴も明らかです。保存状態も良好な貴重な資料です。
23.和太鼓(わだいこ)江戸時代
もとは天満宮の所有ですが、昭和47年の火災に遭い、釈迦町に払い下げられたものです。残念ながら由緒等は判然としませんが、天満宮へは歴代水戸藩主が参拝することも多かったといわれることから、そのような機会に奉納された可能性があります。修理の際に、胴内部に「両御丸 御太鼓師 御用 丸山三右衛門」の墨書が発見されました。両御丸は江戸城の本丸、二の丸を指すと考えられ、職人の格の高さを示すと思われます。江戸浅草新町(台東区今戸1丁目付近)には、代々、丸山三右衛門を名乗る職人がおり、この太鼓は、その手になるものと考えられる貴重な太鼓です。
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