国指定史跡
1.馬渡埴輪製作遺跡(まわたりはにわせいさくいせき)古墳時代後期
古墳時代の5世紀末から6世紀に埴輪を製作していた工場の跡です。本郷川の小支流に面する台地上にあり、水や粘土、燃料など埴輪製作に必要な条件が整った場所であったと考えられます。昭和40年から実施された発掘調査の結果、窯跡19基、工房跡12基、粘土採掘坑25基以上のほか、溝跡も確認されています。また工人達の住居跡2基も一緒に確認されるなど、全国的にも類例の少ない遺跡です。現在は「馬渡はにわ公園」として整備されています。
2.虎塚古墳(とらづかこふん)古墳時代後期
本郷川右岸の台地上に築かれた前方後円墳です。全長56.5m(メートル)、後円部直径32.5m(メートル)、高さ5.7m(メートル)、前方部幅38.5m(メートル)、高さ5.2m(メートル)、前方部が発達した古墳時代後期古墳の特徴を持っています。昭和48年の発掘調査で、後円部に築かれた凝灰岩製の横穴式石室内に保存状態が良好な彩色壁画が発見されました。壁画は凝灰岩の表面に白色粘土を塗り、ベンガラ(酸化第二鉄)で連続三角文や環状文などの幾何学文と、靫(ゆぎ)・槍・楯・大刀など当時の武器や武具等の豊富な文様が描かれています。石室の内部からは成人男子の遺骸の一部と、副葬品の小大刀、刀子、鉄鏃などが出土しました。墳丘の特徴や出土遺物から、古墳時代終末期7世紀初め頃(約1400年前)に造られたと考えられます。昭和55年に公開保存施設が完成し、春と秋には石室壁画を一般公開しています。(虎塚古墳外観は、壁画公開にかかわらず常時無料で見学ができます。)
3.十五郎穴(横穴群)(じゅうごろうあな(よこあなぐん))古墳時代末期から奈良時代
十五郎穴は、古墳時代末期から奈良時代に、本郷川右岸の大地の崖面に露出する凝灰岩を掘り込んで築かれた集団墓で、いくつかに分かれて分布しています。そのうちの館出(たてだし)支群が昭和15年3月に県の史跡に指定されています。昭和51から55年にかけての指渋(さしぶ)支群の調査では119基の横穴墓が確認されたほか、平成26年度までの調査で計272基の横穴墓が確認されており、総数で300基を超える東日本最大級の横穴墓群と考えられています。横穴墓からはこれまでに大刀などの鉄製品のほか、須恵器(すえき:土器)や勾玉(まがたま)などの副葬品、人骨など様々なものが出土しており、平成23年には、正倉院所蔵の刀子に類似の「帯執(おびとり)金具のある刀子」が発見されました。
館出支群第32号墓出土品
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