令和5年度 ひたちなか市施政方針
大谷明市長は、令和5年ひたちなか市議会3月定例会の開会(令和5年3月1日)に当たり、令和5年度の市政運営に関する所信を表明しました。ひたちなか市施政方針の全文を掲載します。
6つの施策の柱
- 市民の安全安心な暮らしを守るまちづくり
- 生涯を通じていきいきと暮らせるまちづくり
- 子育て世代に選ばれるまちづくり
- 地域経済の活性化とにぎわいのあるまちづくり
- 快適で機能的な住みよいまちづくり
- 市民とともに知恵と力を合わせたまちづくり
令和5年度 ひたちなか市施政方針
令和5年第1回ひたちなか市議会3月定例会の開催に当たり、提案いたしました議案などの説明に先立ちまして、市政運営に関する所信の一端を申し上げ、市民並びに議員各位のご理解とご協力を賜りたいと存じます。
はじめに、コロナ禍において、長期にわたり医療や福祉の現場を支えてくださっている皆様、感染症対策にご協力いただいている市民の皆様、事業者の皆様に心から感謝を申し上げます。
さて、世界情勢に目を向けますと、ロシアによるウクライナへの侵攻により、深刻な人道危機がもたらされているだけでなく、世界規模での物価高が続いております。
日本国内においても、エネルギー価格の高騰に伴う光熱水費の上昇や、生活必需品の値上げなどが起こっており、市民生活にも直接的な影響が生じています。本市といたしましても、こうした影響を緩和するため、水道料金の減免や給食費の無償化などの対策に取り組んでまいりました。引き続き、社会情勢の変化を的確に捉え、臨機応変に対応してまいります。
新型コロナウイルス感染症につきましては、日本で感染が確認されてから丸3年が経過いたしました。現在の感染状況については、いわゆる第8波が到来しておりますが、変異株の重症化率が低下している状況等を受け、政府は5月に新型コロナウイルスの感染症法上の分類を季節性インフルエンザと同じ、5類感染症に引き下げることを決定いたしました。また、茨城県からは、行動制限等の要請は原則行わないとの方針が示されるなど、ウィズコロナを見据えた社会経済活動の正常化が図られているところです。国の動向を注視しながら、引き続き基本的な感染対策や、希望される方へのワクチン接種を、医師会をはじめとした関係機関と連携しながら推進することにより、感染拡大防止と社会経済活動の両立を図ってまいります。
これらの問題に加え、我が国では人口減少、少子高齢化が急速に進行しております。本市においても、この問題は最重要課題の一つであり、特に、若年女性の流出は出生数の減少にもつながっていると考えられ、将来におけるまちの活力の低下や、市税収入の減少などの影響が懸念されます。
このような状況においても、将来にわたって活力のあるひたちなか市を維持するため、これまで様々な施策の種を蒔いてまいりました。
本市の課題である若年女性の流出に対応するため、マーケティング推進事業により移住・定住の促進や積極的な市内外へのプロモーションを行うとともに、保育所の建設等、子どもを産み育てやすい環境整備などの取組を進めてまいりました。また、高齢化社会においても、住み慣れた地域で生涯健やかに暮らしていけるよう、健康寿命を延ばす取組も積極的に推進してまいりました。このように、芽吹きを迎えた取組については、その効果をしっかりと検証しながら、さらに成長させていく必要があります。
一方で、社会情勢の変化に対応し、慎重に判断しなければいけない事業や、未来に向けて新たに種を蒔く必要のある事業もございます。
湊線の延伸事業もその一つであり、工事施行認可申請に向けて策定を進めている工事計画にも、コロナ禍や近年の急激な物価高騰などの社会情勢の変化を、十分に反映させる必要があると考えております。そのため、今月末となっている工事施行認可の申請期限を延長すべく、現在、国との協議を行っているところです。
新中央図書館につきましては、建替えにあたり、周辺施設との連携や整備にかかるコストなど、様々な観点から、総合的に検討を進めてまいりました。その結果、豊かな緑に囲まれ、周辺に文教施設が多く立地する東石川第4公園敷地を最適地として議会の皆様にご説明させていただいたところです。引き続き、広くご意見を伺いながら、魅力的な新中央図書館の建設を進めてまいります。
また、常陸那珂工業団地が分譲完了して以来、検討を進めてきた工業用地の確保につきましては、これまでの働きかけもあり、茨城県において、ひたちなか地区の国有地を活用した工業団地造成事業の実施に向けて、関連する予算案が県議会に提出されたところです。近年、世界的にも有名な企業の立地が進む当地区が大規模な投資の対象となったことは、本市の立地環境や集積された産業流通インフラが評価されたものだと認識をしております。半導体関連産業など、最先端分野の生産拠点の誘致に向けた本事業は、企業立地のための用地が不足している本市にとっても大きな一歩であるとともに、市内立地企業の更なる発展にも資するものだと考えております。引き続き、県としっかり連携を取りながら、更なる雇用創出や地域経済活性化に向けて取り組んでまいります。
このように種を蒔いた施策を花咲かせ、ひたちなか市が、持続的に発展し続けていくためには、そこに住み、働く「ひと」がいきいきと生活する、活力ある「選ばれるまち」となることが必要不可欠です。そのために、子どもから高齢者まであらゆる方が安全で安心して、いきいきと暮らせる環境を整備するとともに、仕事・住まい・育児が一体となった、「職住育近接」のまちづくりを進めることによって、本市に住み続けたいと思っていただける方を増やしてまいります。
さらに、多くの方に本市に対する誇りや愛着を持っていただき、積極的にまちに関わってもらえるような取組を進めることで、様々な形で本市とつながりを持っている方にも、ひたちなか市と関わりを持ったことを、胸を張って誇れるようなまちにしてまいります。そして、これまで本市が育ててきた協働という価値をさらに高めるまちづくりを行ってまいります。
令和5年度は、第3次総合計画後期基本計画が3年目を迎える折り返しの年となります。ウィズコロナや世界情勢の混乱による物価高など変化の大きい社会においても、総合計画に掲げる基本施策をしっかりと推進し、さらにその先の未来を見据え、本市の成長に資する新たな価値を創造してまいります。
このような考えのもと、令和5年度の市政への取組について、前提となる財政状況及び令和5年度予算案をご説明いたします。
まず、一般会計につきまして、歳入の根幹を成す市税について申し上げます。令和5年度においては、ウィズコロナの下、社会経済活動の正常化が進みつつある中、景気の先行きについて持ち直しの動きが見られることから、個人市民税、法人市民税とも令和4年度当初予算に対して増収を見込んでおります。また、固定資産税につきましても、家屋の新増築や企業の設備投資への前向きな動きを勘案して増収を見込み、市税全体では、13億1,167万8千円、5.5%の増となる251億7,617万8千円を計上しております。
また、社会保障関連経費や公債費等の義務的経費のほか、電気料金や原材料、資材価格の高騰に伴う公共施設の光熱費や委託料、工事請負費などの増加に対処するため、令和5年度におきましても財政調整基金及び市債管理基金から42億7,482万1千円の繰入金を計上しているところであります。こうした、基金の取崩しは近年続いているものの、当初予算に計上した繰入額は予算執行の過程で大きく減額しており、令和4年度は取崩しを全額中止できる見込みとなっております。さらに、令和4年度のふるさと納税寄付金は、前年度に比べ倍増しており、それらの各基金への積立によって、令和4年度末の基金全体の現在高は増加する見込みであります。引き続き、茨城県と連携しながら工業用地の確保にしっかりと取り組むほか、企業誘致や産業振興による税収の確保に努めるとともに、既存事業の見直しや業務の効率化などによる歳出の削減、ふるさと納税の更なる拡充にも取り組み、自主財源の確保に努めてまいります。
次に、歳出について申し上げます。
これまで取り組んでまいりました主要施策につきましては、土地区画整理事業や完成が間近となっております佐和駅東西自由通路・新駅舎整備事業など都市基盤の整備を、国の令和4年度補正予算も活用し、着実に進めてまいります。さらに、雨水幹線整備や河川改修、防災行政無線のデジタル化など、災害に強いまちづくりに欠かせない事業についても計画的に進めるとともに、公共施設マネジメントを推進し、維持管理コストの削減を図ってまいります。
移住・定住の促進や関係人口の創出に向けた取組につきましては、調査・分析を行ないながら、戦略的に事業を実施してきた結果、学生エール便でのつながりが絆構築プロジェクトへの参加のきっかけとなるなど、効果が着実に表れつつあります。こうした流れを加速するため、ひたちなか市のファンを増やす取組や魅力発信のためのプロモーションなど、更なる施策を積極的に展開してまいります。
また、子育て支援策といたしましては、本年10月診療分からの小児マル福における所得制限の撤廃や、国において令和4年度補正予算で措置された、伴走型相談支援を含めた出産・子育て応援金についても、それぞれ準備を進めており、円滑な実施に向けて取り組んでまいります。
これら本市の更なる成長のために必要な事業を推進するため、一般会計では、前年度比31億500万円、5.6%増の588億8,000万円、水道事業、下水道事業を含めた特別会計全体では、前年度比12億8,556万2千円、2.9%増の461億4,196万3千円となる当初予算を編成したところであります。
一般会計と特別会計の合計では、前年度比43億9,056万2千円、4.4%増の1,050億2,196万3千円となりました。
引き続き、厳しい財政状況となることが予想されますが、感染状況や経済情勢の変化、国・県の動向を見極めながら、必要な施策にしっかりと取り組むとともに、本市の更なる発展に向けて、安定的かつ健全な財政運営に努めてまいります。
次に、令和5年度の市政への具体的な取組につきまして、以下の6つの柱に沿って、新たな取組や重点施策などについてご説明申し上げます。
1 市民の安全安心な暮らしを守るまちづくり
1つ目は、市民の安全安心な暮らしを守るまちづくりであります。
感染症や様々な自然災害が発生する中、誰もが安全に、安心して暮らせるまちづくりを行うことは、行政としての責務であります。
新型コロナウイルスワクチンにつきましては、今後示される国の方針を踏まえながら、希望する全ての市民が円滑にワクチンを接種することができるよう、医師会等とも連携し、しっかりと取り組んでまいります。
災害時の対応につきましては、市民に対し、適切かつ迅速な情報発信を行ってまいります。防災行政無線のデジタル化更新工事を進め、音質の向上や沿岸部の広報範囲を広めるとともに、ひたちなか安全・安心メールやSNSの活用など、情報伝達手段の多様化に引き続き取り組んでまいります。
また、災害時における円滑な支援体制の確保を図るため、緊急輸送道路等の沿道建築物のうち、倒壊により通行の妨げとなる建築物の耐震診断に要する費用の一部を補助してまいります。
水道施設につきましては、災害に強く安全安心な水を安定的に供給するため、引き続き市民生活に影響の大きい幹線管路や避難所、病院など災害時における重要施設へ給水する配水管を優先し、計画的に管路更新を実施してまいります。
地域における防災力の強化につきましては、感染症対策を講じた上で、地域住民による避難の実践、避難行動要支援者の安否確認などを主体とした市民参加型の防災訓練を自主防災会と連携して行うとともに、地域が独自に行う訓練への支援や防災リーダーの育成に、引き続き取り組んでまいります。
河川の氾濫による浸水被害防止の対応につきましては、国や県、本市を含む那珂川の沿川市町が連携した「那珂川緊急治水対策プロジェクト」において、令和4年度は、無堤部である柳沢地区で堤防の整備が一部完成し、事業が順調に進んでおります。引き続き、地元及び関係機関との調整を密に行いながら、プロジェクトの早期進捗を図ってまいります。また、中丸川・早戸川水門への常設排水ポンプ設置等につきましても、引き続き、国及び県に要望してまいります。
集中豪雨対策につきましては、「中丸川流域における浸水被害軽減プラン」に基づき、国や県と連携しながら河川や下水道の整備を推進することに加え、地元の住民や企業と一体となった総合的な治水対策を、引き続き進めてまいります。
原子力災害に備えた広域避難計画につきましては、「複合災害への対応」や「バス、福祉車両等の移動手段の確保」などの課題が残されており、それらの解決に向けて、国や県、関係自治体と情報共有を密にし、広域的な調整を図りながら取り組んでいるところです。計画の策定に当たっては、課題の一つ一つに対して、しっかりと対策、対応を考え、検証していくことが必要であると認識をしております。そのため、今月には長砂地区を対象とした原子力防災訓練を実施し、原子力災害における初動対応の確認・検証を行うこととしております。今後、訓練参加者からもご意見をいただきながら、計画の策定を進めてまいります。
また、東海第二原発の再稼働問題につきましては、引き続き、「原子力所在地域首長懇談会」の構成自治体と連携を図りながら、新安全協定に基づき、原子力所在地域の自治体として責任ある対応をしてまいります。
医師会・薬剤師会のご協力をいただきながら、市独自で全市民を対象に配布している安定ヨウ素剤につきましては、1歳6か月児健康診査と合わせた配布会を開催するなど、引き続き、効果的な配布に努めてまいります。
消防・救急につきましては、指令システム及びデジタル無線システムの全面的な更新を含めた消防本部・笹野消防署の庁舎建替えについて、令和6年度中の供用開始を目指し、引き続き、ひたちなか・東海広域事務組合において庁舎建設工事を進めてまいります。
空き家対策につきましては、周囲への悪影響を及ぼす空き家の発生を抑制するための啓発や所有者に対する助言・指導のほか、空き家バンク事業など空き家の有効活用の促進を継続してまいります。
消費生活につきましては、高齢者を狙った悪質商法やニセ電話詐欺等、多様化する消費者問題を未然に防止するため、引き続き、自動通話録音装置の貸出し等の取組を推進するほか、消費者相談及び啓発等に努めてまいります。また、若年層につきましても講演会や講座等を通じて啓発を図り、マルチ商法等による被害の未然防止及び消費者教育に努めてまいります。
2 生涯を通じていきいきと暮らせるまちづくり
2つ目は、生涯を通じていきいきと暮らせるまちづくりであります。
誰もが住み慣れた地域で安心して幸せに暮らしていくためには、行政サービスを充実させることはもちろん、地域の絆を深め、お互いに支え合うことが必要です。
地域福祉につきましては、地域における福祉課題の抽出や、地域福祉に関する意識の醸成を図るため、引き続き、社会福祉協議会と連携しながら「地域福祉座談会」を開催してまいります。また、コミュニティ組織や自治会等の関係者による協議の場づくりを継続的に行い、地域に合わせた支え合いの更なる構築に努めてまいります。
高齢者福祉につきましては、「人生100年時代」を見据え、年をとっても健康でいきいきと暮らし続けることができるよう、引き続き、健診結果等のデータを活用した高齢者への個別支援や、地域の体操教室などでの集団指導をきめ細かく行うことによって、高齢者の健康増進を図ってまいります。さらに、医療と介護が必要な高齢者に対し、切れ目ないサービスを提供できるよう、引き続き医療・介護の連携を推進してまいります。
介護保険事業につきましては、「認知症高齢者グループホーム」が1か所開設される予定であるため、事業者による整備を支援してまいります。
市民の安心を健康面で支える地域医療の充実につきましては、本市の中核病院であるひたちなか総合病院における、救急医療、高度専門医療の体制整備に要する医師確保を引き続き支援してまいります。また、周産期医療体制を維持し、安心して妊娠・出産ができる環境を整えるため、いばらき県央地域連携中枢都市圏の構成自治体と連携して、水戸赤十字病院における産婦人科医の確保についても支援してまいります。
休日夜間診療所の運営につきましては、令和5年度以降、多くの医療機関が休診となる8月13日から15日までの期間についても開設することとし、休日等における初期救急医療体制を強化いたします。
障害者福祉につきましては、地域の相談支援の拠点となる基幹相談支援センターを開設し、相談支援体制の強化を図り障害のある方の生活を地域全体で支える体制づくりに取り組んでまいります。
高齢者等の日常生活を支える買い物等の支援につきましては、社会福祉法人等が送迎車両を活用して行う買い物支援サービスに係る費用の一部を引き続き補助するとともに、補助対象事業者を医療法人まで広げ、事業拡大を図ってまいります。また、民間事業者による移動スーパーにつきましては、新たな事業者と連携し、公共施設等を周る移動スーパーの導入を行ってまいります。あわせて、公共交通の利用が難しくなった高齢者等への移動や買い物等の更なる支援のあり方についても幅広く検討してまいります。
また、福祉部につきましては、所管事務がより明確となるよう、名称を「保健福祉部」に変更いたします。
3 子育て世代に選ばれるまちづくり
3つ目は、子育て世代に選ばれるまちづくりであります。
安心して子どもを産み育てることができる環境を整えるとともに、未来を担う子どもたちの地域への愛着を育むことによって、将来にわたり子育て世代から選ばれるまちを目指してまいります。
国において4月に予定されている「こども家庭庁」の設置に合わせ、本市においても切れ目ないきめ細やかな政策を推進するため、子どもや子育てに関する施策を集約した「子ども部」を新設いたします。子ども部には既存の「子ども政策課」、「幼児保育課」を配置するとともに、健康推進課より母子保健を移管し、家庭児童相談室の機能を加えた「子ども未来課」を新設します。「子ども未来課」においては、子どもや家庭の抱える複合的な課題に対し、福祉と保健の両面から切れ目のない支援を行ってまいります。また、教育委員会事務局で所管している公立幼稚園に関する事務を「幼児保育課」に移管し、就学前の保育・教育施策を一体的に推進してまいります。
こうした組織改編に合わせ、全ての妊産婦、子育て世帯、子どもへ一体的に相談支援を行う機能を有する機関として、子ども家庭センターの運用を開始します。あわせて、ヤングケアラーなどの課題を抱える家庭をより効果的に支援するため、家事や養育に関する援助を行うアウトリーチ型の支援に取り組んでまいります。
医療福祉費支給制度、いわゆるマル福につきましては、これまで県の基準に基づき、所得制限を実施してまいりましたが、18歳までの子どもを持つ親の経済的負担を軽減し、子育て支援を更に推進するため、所得制限を撤廃してまいります。
結婚に伴う経済的負担を軽減するために実施している結婚新生活支援事業につきましては、一定の所得層の新婚世帯における賃貸住宅への入居や住宅取得等にかかる費用の一部を助成してまいりました。令和5年度は国の方針を踏まえ、所得制限の緩和を行い、本市における結婚世帯の増加と定住を促進してまいります。
また、子育て世帯の定住や、子育て等における家族間の支え合いを促すため、県外出身の子育て世帯や、市内で新たに三世代同居等を始める転入世帯に対し、引き続き住宅取得等を支援してまいります。
「子育て支援コンシェルジュ」につきましては、引き続き、子育て中の方と同じ目線で話すことのできる職員を配置し、本市ならではの子育ての楽しみ方を当事者の目線から発信・提案するとともに、これまでコロナ禍で思うようにできなかった、子育てサロン等の地域資源の活動支援や発掘に注力してまいります。
子育て支援センター「ふぁみりこ」につきましては、利用制限が続く中でも保護者同士が交流し、つながりをつくることができるよう、利用者参加型のグループワークなどのイベントを、引き続き開催してまいります。また、コロナ禍の長期化により、いわゆる「コロナ疲れ」が深刻化していることから、託児付きのイベントや講座を拡充するなど、保護者がリフレッシュできるような機会を充実してまいります。
「コドモノアソビバ」につきましては、夏休み期間中に開催する体験型イベントのほか、年間を通して子どもたちに魅力あるイベントを定期的に開催してまいります。
子どもふれあい館、長松子ども館、放課後の子どもの居場所づくりなど、地域社会との交流により子どもたちとの社会性を育む取組につきましては、引き続きそれぞれの地域の実情に即した支援を行うとともに、新たな取組を発掘・支援してまいります。
働く子育て世代を支える保育所につきましては、保育所への運営費補助などを通じて、保育環境の充実に努めてまいります。また、民間保育所に対するアレルギー児や障害児への補助を引き続き実施するとともに、公立保育所において医療的なケアが必要な子どもの受け入れマニュアルを整備し、円滑な受け入れを推進してまいります。病児保育につきましては、勝田地区での病院併設型施設の開設に向け、開設希望事業者と協議を進めているところです。引き続き、補助金申請の手続き等について、事業者との連携を図りながら、病児保育環境の充実に努めてまいります。保育士の確保につきましては、市独自の保育士就職フェアの開催や養成学校への出前授業などにより、本市への人材定着を図るとともに、更なる処遇改善についても、引き続き、全国市長会を通じて国に要望してまいります。
公立学童クラブにつきましては、試験的に行った朝の開設時間を早める取組が非常に好評であったことから、保護者の就労時間や利用状況等に鑑み、学校が長期休業となる期間について朝7時45分から開設することといたします。学童クラブ運営に関しましては、引き続きタブレット学習など、児童を取り巻く環境の変化に柔軟に対応してまいります。さらに、放課後児童支援員の認定資格研修をはじめとする各種研修の受講を推進し、スキルの向上に取り組むとともに、働きやすい環境づくりを進め、人材確保に努めてまいります。
特別な配慮を必要とする幼児や児童生徒に対しましては、介助員及び学校看護師を適正に配置し、個々の特性に応じた支援の充実に努めてまいります。また、一人一人の教育的ニーズに応じた適切な指導や支援の充実、幼児期からの円滑な接続、関係機関との連携による支援体制の更なる強化を図り、障害の有無にかかわらず誰もが共に学ぶインクルーシブ教育を推進してまいります。
ICT教育の推進につきましては、タブレットをはじめ、ICT機器を効果的に活用した学習活動の充実を図るため、教員への研修を計画的に実施するとともに、ICT支援員による活用支援を行ってまいります。
小学校のプール施設は、建設から約40年が経過し、著しく老朽化が進んでおります。こうした状況も踏まえ、小学校の水泳授業については天候に左右されず計画的に実施できる民間のプール施設を活用してまいります。また、教員とインストラクターとのティーム・ティーチングにより児童の安全管理、泳力向上など水泳授業の充実を図ってまいります。
学校給食につきましては、安全安心でおいしい給食を提供するため、計画的に各小中学校給食室の改修を進めており、令和5年度においては、外野小学校と勝田第二中学校のドライシステム化を実施してまいります。
コミュニティ・スクールの取組につきましては、全ての小中学校・義務教育学校の学校運営協議会において、地域住民と一緒に学校や地域の課題について議論を重ねているところです。今後はより一層の「地域と共にある学校づくり」を推進してまいります。
文化財につきましては、県指定史跡である十五郎穴は、古墳時代末期以降につくられた、推定で500基を超える東日本最大級の横穴墓群であります。長年経過した現在も保存状態がよい貴重な史跡であるため、今後も市民に親しまれる史跡として、国の補助制度も活用しながらしっかりと保存・活用ができるよう、文化庁などの関係機関や地域と連携して、国の史跡指定に向けて取り組んでまいります。
4 地域経済の活性化とにぎわいのあるまちづくり
4つ目は、地域経済の活性化とにぎわいのあるまちづくりであります。
多くの方に選ばれ、住み続けていただくためには、働く場の確保が重要です。多様な産業の活性化を図り、雇用を促進することに加え、新たな賑わいを創出することによって、定住人口のみならず、交流人口や関係人口の拡大につなげてまいります。
農業につきましては、地域における「目指すべき農業の在り方」を定める「人・農地プラン」を策定し、推進しております。こうした中、地域での協議により将来の農業や農地利用の姿をより明確化した「地域計画」を策定するため、地域の農業者等による座談会を開催し、本市農業の持続的発展を図ってまいります。
また、本市が日本一の生産量を誇る「ほしいも」の産地間競争が激しさを増しております。個々の生産者のこだわりの土づくりによる良質な原料芋生産や、研鑽を重ねた熟練の加工技術などにより生み出される風味や食感などを、「ひたちなか市産ほしいも」の魅力として、全国に発信してまいります。
水産業につきましては、漁業就業希望者の発掘を目的に、漁協と連携した漁業体験研修を引き続き実施することで、漁業の担い手の確保を図ってまいります。また、商工会議所や漁協等で構成する「魚食普及活動実行委員会」による、地魚を取り扱う店舗の登録制度「ひたちなか地魚応援隊」を活用した魚食普及キャンペーンの取組や、「産業交流フェア」及び「みなと産業祭」での地魚PRのほか、水産物の加工等が体験できる「親子でめぐる水産物バスツアー」の開催支援等を通じて、本市産水産物の消費拡大や魅力の発信を推進してまいります。
観光につきましては、昨年は、3年ぶりに行動制限のないゴールデンウィークや夏休み等を迎えたことにより、ひたちなか祭りや那珂湊海上花火大会など多くのイベントを開催することができました。また、親水性中央公園を会場に、コーヒーや野外映画、キャンプ体験を掛け合わせた「ONE FINE DAY IN THE PARK」や「茨城のフェス文化の灯を消すな」を合言葉とした「ラッキー・エフエム・グリーンフェスティバル」が初めて開催されるなど、新たな賑わいが創出されたところです。令和5年度につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大後初となる外国クルーズ船の寄港も予定されているなど、本格的な観光需要の回復が期待される年になると考えております。こうした状況に的確に対応し、観光振興につなげるため、観光協会や国営ひたち海浜公園等と連携しながら、既存イベントや新たに誕生したイベント等を展開するとともに、ひたちなか大洗リゾート構想などの広域的な取組についても、県や近隣市町村等と共に推進してまいります。また、これまで行ってきたお土産品の開発・磨き上げや軽トラックを活用した移動販売のKマーケットなどを、引き続き支援してまいります。
本市の重要な観光資源である阿字ヶ浦海岸など海の利活用につきましては、近年は、夏の海水浴場開設以外に、海岸を活用したマーケットやワーケーションなど閑散期における新たなイベントが開催されております。夏場における海水浴場の開設を継続的に実施するとともに、来訪者の満足度の向上につながるようなイベントの開催や、阿字ヶ浦海岸の環境整備を行い、本市における更なる賑わいの創出を図ってまいります。
茨城港常陸那珂港区につきましては、国や県による整備が順調に進み、港湾施設の利便性の向上が図られております。取扱貨物量についても順調に推移しており、令和3年は建設機械の輸出増加等の要因で過去最高を更新しました。今後も、更なる港湾機能の強化が図られるよう、国や県への働きかけを行ってまいります。あわせて、県や東海村等と連携しながら、荷主企業等を対象としたセミナーの開催や国内外へのポートセールス、コンテナ貨物集荷促進事業に引き続き取り組んでまいります。
工業用地の確保につきましては、引き続き、県と連携を密に図りながら、速やかな工業用地の確保に取り組み、本市の産業の更なる活性化を図ってまいります。また、工業団地造成後の企業誘致に向けて、企業立地セミナー等を通じた本市の魅力的な立地環境等のPRにつきましても継続して取り組んでまいります。
中小企業への支援につきましては、産業活性化コーディネーターや商工会議所等の関係機関と連携した伴走支援を継続するとともに、創業に関するフォロー体制を構築することにより、さらにきめ細やかな支援を講じてまいります。また、中小企業等向けの補助金については、引き続き新製品等の開発・販路開拓・人材の育成や確保を補助対象として、事業者の積極的な取組を支援してまいります。
ふるさと納税の取組につきましては、返礼品及びポータルサイトの拡充により、令和4年12月末時点で12,000件以上のご寄付をいただき、寄付額は昨年度から倍増し、2億円を突破いたしました。引き続き、地場産品等の提供を通じて、本市の魅力発信や地場産業の活性化につなげるとともに、返礼品の拡充や広報活動により寄付受入件数の拡大に努めてまいります。また、実際に市を訪れていただく「体験型返礼品」を強化し、関係人口の拡大を図ってまいります。さらに、自治体が行う地方創生の取組に対して、企業からご寄付をいただく「企業版ふるさと納税」につきましても、積極的な活用を図り、企業とのパートナーシップの構築に努めてまいります。
スポーツの振興につきましては、勝田全国マラソンや三浜駅伝競走大会を引き続き開催するとともに、スポーツ協会との連携のもと、市民の健康づくり、生涯スポーツに親しむ機会の創出に努めます。
また、実業団スポーツチームとの取組については、ホームタウンパートナー協定に基づき、ホームゲームへの無料招待や、幼児や児童を対象としたスポーツ教室の開催などに取り組んでまいりました。引き続き、これらの取組を継続し、市民と実業団選手との交流を図り、スポーツ人口の拡大とスポーツに親しむ環境づくりを推進してまいります。
5 快適で機能的な住みよいまちづくり
5つ目は、快適で機能的な住みよいまちづくりであります。
今後訪れる人口減少社会を見据え、市民が安心して快適に過ごすことができるようなまちづくりを進めていく必要があります。安全で利便性が高く、更なる賑わいを生み出すことのできる都市基盤の整備を行ってまいります。
佐和駅東西自由通路及び新駅舎整備事業につきましては、JRとの施行協定に基づき、本年夏の供用開始を目指し、引き続き整備を進めてまいります。また、佐和駅東口につきましては、新駅舎整備等の進捗に併せ、駅前広場や自転車駐車場の整備を進めるとともに、駅南側から東口広場へ直接アクセスできる線路沿いの道路の整備に着手してまいります。さらに佐和駅西口につきましては、既存の駅前広場や自転車駐車場の改修工事に着手してまいります。
市内7地区で進めている土地区画整理事業につきましては、地域間の交通ネットワークの構築と通学路等での歩行者の安全を確保するため、引き続き都市計画道路の整備を優先的に進めてまいります。また、雨水排水の課題を解消するために雨水管の整備を併せて進め、良好な居住環境を備えた街並みの形成に取り組んでまいります。
東中根高場線の高場陸橋4車線化事業につきましては、JRに委託し施工している橋桁の設置工事を完了させるとともに、新橋の舗装工事や交差点改良工事等を順次実施し、令和6年度中の完全4車線での供用開始を目指してまいります。
中央図書館の建替えにつきましては、東石川第4公園敷地を最適地として議会の皆様にご説明させていただいたところです。市民の皆様方からいただいたご意見等を踏まえ、幅広い世代に居心地よく利用してもらえる魅力的な新中央図書館建設に向けて、より具体的な検討を行ってまいります。
市街化区域内の公園空白地解消に向けた公園の整備につきましては、令和4年度の磯崎町地区に続き、令和5年度は、大平自治会地区内において、新たな街区公園の整備を進めてまいります。
市民の日常生活の足として市内全域を運行している「スマイルあおぞらバス」につきましては、佐和駅東西自由通路及び新駅舎の整備完了に合わせ、コースの見直し等を行うとともに、引き続き地域の利用者からの要望等を踏まえながら、利便性の向上を図ってまいります。
ひたちなか海浜鉄道につきましては、令和4年度は、通学定期・通勤定期以外の利用者数がコロナ禍前の水準には達していないものの、前年度から大きく回復しております。それに加え、美乃浜学園の生徒の通学手段としての利用が定着しており、通学定期・通勤定期も合わせた利用者数はコロナ禍前の令和元年度を越える過去最高の約110万人となる見込みです。自立的・安定的な事業運営に向け、引き続き、おらが湊鐵道応援団、沿線の市民の皆様や高校等と連携しながら、更なる利用促進に努めてまいります。また、安全な運行を確保するための設備投資に対する補助を、国・県と協調して行ってまいります。
環境に対する取組につきましては、コロナ禍においてはオンライン形式で実施していた環境シンポジウムを、令和4年度は3年ぶりに会場で開催し、市民や事業者が日頃から行っている環境保全活動について、広く周知する機会を設けることができました。引き続き、こうした普及啓発活動を行うことに加え、太陽光発電設備と共に蓄電システムを導入する家庭に対する助成を継続するなど、気候変動対策をはじめとした環境対策を積極的に推進してまいります。
6 市民とともに知恵と力を合わせたまちづくり
6つ目は、市民とともに知恵と力を合わせたまちづくりであります。
コロナ禍となり約3年が経過する今、地域や行政においてもデジタルの積極的な活用などが求められております。そうした社会の変化に対応しながら、効率的な行政運営を行うとともに、市民一人一人にまちへの誇りや愛着を持ち続けていただくような取組を推進してまいります。
コミュニティ組織につきましては、中学校区単位のコミュニティセンター運営のほか、コロナ禍で制限されていたお祭りなどの交流活動が実施されるなど、各地区の特性に合わせた活動が展開され、子どもから高齢者まで安全で、安心して暮らせる地域づくり・絆づくりの取組が進められています。また、各コミュニティに設置されたまちづくり市民会議では、地域が抱える課題を市民自らが地域で話し合い、解決を図る取組が行われております。これらの協議内容を市民の皆様に広く周知するとともに、より活発に議論が行われるような環境づくりに努め、協働のまちづくりを進めてまいります。
自治会につきましては、福祉や防災をはじめ、地域活動の中核として重要な役割を担っていただいております。しかし、コロナ禍において、様々な事業が中止となるなど大きな影響を受けることとなりました。このような状況においても円滑に活動を進めるためには、ICTの活用が有効であることから、引き続き自治会のICT環境整備の支援などに取り組んでまいります。また、自治会への若年層の未加入や高齢者の退会などによる、地域活動の担い手不足が課題となっております。担い手となる若年層などの加入促進を図るため、自治会活動ガイドブック「おとなりさん」を刷新するなど、自治会の理解促進に努めてまいります。
公共施設全体のマネジメントにつきましては、限られた財源の中で、公共施設を適切に維持・更新し、持続可能な行財政運営を実現していくため、「施設保全計画」を策定いたします。今年度から実施している建物や設備の劣化状況調査の結果を踏まえ、今後の修繕・建替えに要する将来負担コストと適正な施設保有量を把握することにより、複合化・多機能化・長寿命化等を視野に入れた個別施設の方針策定につなげてまいります。
築52年が経過し、老朽化が進む市庁舎行政棟につきましては、執務室の狭隘化(きょうあいか)や会議室の不足が課題となっており、バリアフリーやデジタル化への対応が難しくなっていることから、建替えは避けられない状況にあると考えております。このことから、庁舎建設基金への積み立てを開始するとともに、築60年を迎える令和12年度を目途とした新庁舎建設に向けて、まずは庁内での検討に着手してまいります。
市民への窓口対応につきましては、1月から開始したLINEで道路・公園などの損傷や不具合等を情報提供いただける市民レポートの運用に加え、いばらき電子申請・届出サービスやぴったりサービスなどを活用し、24時間365日、市役所に行かなくても、いつでも手続きができるよう、対象手続きを拡充してまいります。令和5年度からは、人事院勧告に基づき、市役所の閉庁時間を夕方5時30分から5時15分に変更する方向で準備を進めているところでありますが、日曜日の開庁を継続することはもちろん、このような窓口対応のデジタル化を推進し、市民サービスの向上を図ってまいります。
情報システムにつきましては、令和7年度までに住民記録や税などの基幹系20業務を国の標準仕様書に準拠したシステムへ移行することが求められています。これらに対応するため、システムの改修を進めるとともに、BPR、いわゆる業務改革の取組の一環として、パソコン上の作業を自動化できるRPAを導入し、単純事務作業を中心に活用することで、業務の効率化を図ってまいります。
行政情報の発信につきましては、市民の皆様に読みたいと思っていただける市報づくりに取り組むとともに、幅広い年代で普及しているSNSを活用した、効果的な情報発信を行ってまいります。特に「市公式LINE」につきましては、地区毎のごみ収集日の定期配信や、防災行政無線の放送内容の発信など、その媒体特性を活かした情報発信を行ってまいりました。引き続き、市民にとって使いやすいLINE機能の充実や登録者増加に向けた取組を検討してまいります。
マーケティング推進事業につきましては、対象の分類・分析等を踏まえた合理的根拠のある政策を形成し、戦略的かつ効果的な施策を展開してまいりました。
進学により、県外で生活する大学生等を応援するために実施してきた学生エール便につきましては、特産品等の送付により学生を支援することに加えて、申請者に対して定期的な情報発信を行い、本市と学生とのつながりの構築という観点も大切にしながら、引き続き実施してまいります。
こうしてつながりをもった学生や、地域活性化等に関心の高い東京圏在住の学生と多様な関係性を築く絆構築プロジェクトにつきましては、引き続き、本市の課題解決に向けたフィールドワーク等を実施することによって本市の魅力を発見する機会となるよう取り組んでまいります。また、これまでの参加学生と継続的なつながりを構築し、本市において転出超過の傾向にある若年層のUIJターンの促進に結びつけてまいります。
ファン共創事業につきましては、ひたちなか市のまちづくりに共感する方々と、イベントやミーティングなどの交流を通じてつながりを深めながら、共にまちづくりを進めることができるよう、ひたちなか応援大使を委嘱した黒沢かずこ氏にも、まちの魅力発信等に協力をいただきながら取組を進めてまいります。
また、公募により結成した「いいとこ発信隊」による住民目線での魅力発信や、民間企業のオンラインコミュニティを活用した若年女性に向けたプロモーションを実施し、引き続き、市内外へ本市の魅力を発信してまいります。
さらに、本市への転入者の増加につなげるため、移住フェアへの参加や移住検討者に本市の暮らしを体験していただくお試し移住事業を実施するとともに、東京圏から本市に移住した世帯に対する支援金につきましては、子育て世帯の移住を促進するため、国の方針を踏まえ、子どもに対する加算額を拡充いたします。引き続き、これらの取組を継続し、本市への移住・定住促進に努めてまいります。
まちに対する誇りや愛着である「シビックプライド」を醸成する取組につきましては、これまで、市民の皆様と共に「ひとが咲くまち。ひたちなか」というキャッチコピーとロゴマークを作成し、市公式LINEやSNSのアイコン、さらにイベント等で積極的に使用してまいりました。また、SDGsと関連付けた市報での特集記事やシンポジウムにおいて、SDGsを実践している方の活動紹介を行いながら、シビックプライドの浸透及びSDGsの認知度向上を図ってまいりました。更なるシビックプライドの醸成に向けて、有識者による講演会等を開催することに加え、イベント等によるSDGsの普及啓発を行うなど、まちのことを自分ごととして捉え、誰もが自分らしく活躍できる持続可能なまちの実現に向けて、共に考える機会を作ってまいります。
自治体におけるマーケティングは、「住み続けたい」、「働き続けたい」、「行ってみたい」、「応援したい」と思ってもらえる「まちのファン」を増やすとともに、その熱量を高め、まちへ関わりたいという気持ちを育てていくことであると考えております。引き続き、これらの事業を推進しながら、本市の魅力や住みやすさを発信するとともに、様々な事業を通じてつながった方々と共感を生むためのコミュニケーションを図り、多くの方々に「ひたちなか市のファン」になっていただく取組を進めてまいります。
以上のように、本市がさらに選ばれるまちとなるよう、第3次総合計画に位置付けた施策を推進していくことはもちろん、未来を見据えたまちづくりに向けて、施策の検証や課題の整理を行うとともに、令和8年度を始期とする次期総合計画策定に向けた調査研究等も進めてまいります。
「ひとが咲くまち。ひたちなか」というキャッチコピーのとおり、本市に関わるあらゆる方が、幸せに、いきいきと自分らしい花を咲かせ、ひたちなか市に関わっていることを誇れるような、魅力あるまちであり続けるよう、全身全霊をもって市政運営に取り組んでまいります。
以上、令和5年度の施政方針をご説明申し上げました。
本市の市政運営につきまして、市民並びに議員各位の格別なるご理解とご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
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