水質Q&A
- Q1:赤い水が出る
- Q2:黒い水が出る
- Q3:黒い異物が出る
- Q4:アルミニウム製容器の内面が黒変化する
- Q5:浴室のタイルや水切りかご等が黒くなる
- Q6:哺乳瓶の乳首が黒くなる
- Q7:魔法瓶の中が黒くなる
- Q8:白い水が出る(数秒後に透明になる)
- Q9:アルミニウム製容器の内面に白い斑点が発生する
- Q10:やかん、加湿器の吹出し口周辺、蛇口等に白い固形物が付着する
- Q11:氷の中央部に白い固形物が発生する
- Q12:浴槽の水が青く見える
- Q13:洗面所やタイル等が青くなる
- Q14:緑色の浮遊物が流出する
- Q15:飲み残しのお茶が紫色になる
- Q16:ふきんが紫色になる
- Q17:浴室、タイル、トイレ、洗面所の衛生陶器がピンク色になる
- Q18:カルキ臭(塩素臭)がする
- Q19:金気臭がする
- Q20:シンナー臭、灯油臭がする
- Q21:かび臭がする
- Q22:油様臭がする
- Q23:収れん味、苦味・渋味がする
- Q24:ガラス製容器に光る針状浮遊物がある
- Q25:汲み置きした容器がヌルヌルする
- Q26:泡立ちがしばらく放置しても消失しない
- Q27:灰色の異物が出る
- Q28:残留塩素が検出されない
- Q29:魚がへい死する
- Q30:濁り、砂、砂利が混入する
Q1:赤い水が出る
原因
配・給水管内の鉄錆が起因し、赤水の継続時間や発生地域により原因が推定できる。
対策
一軒だけの場合は、開栓時の水をしばらく捨水するか、老朽化した配管を取り替えてください。広範囲の場合は配水地域の水質が安定するまで捨水が必要ですので水道事業所まで連絡してください。
Q2:黒い水が出る
原因
水道水中に溶存している微量のマンガンイオンが残留塩素で酸化され、配水管内に付着した二酸化マンガン等が水の流動変化で剥離するために起こる。
対策
開栓直後の一時的現象の場合は、透明になるまで捨水してください。長時間にわたる場合は、水道事業所まで連絡してください。
Q3:黒い異物が出る
原因
止水栓、給水栓のゴムパッキンやビル給水等の加圧タンクに使用されているゴム製ダイアフラム、給水管と給水装置を接続するゴムパイプの劣化、管接合部のポリエチレン管の切りくず、配水管からのマンガンスケールの剥離等。
対策
開栓直後の一時的な場合は、しばらく捨水し、ゴムパッキン等を確認してください。長時間にわたる場合で原因が不明な場合は、水道事業所まで連絡してください。
Q4:アルミニウム製容器の内面が黒変化する
原因
アルミニウム製品の表面にアルマイト加工した腐食防止用のアルマイト被膜が、空焚きや金属たわし等で破損または劣化し、素地が露出したため、水道水に含まれる微量の鉄、銅と反応し、黒変化した。(注釈)アルミニウムの黒変化現象
対策
スポンジ等柔らかい物を使用してください。但しアルミニウム製品は、丁寧に扱ったとしても長期間の使用による「アルミニウムの黒変化現象」は避けられません。(注釈)人体には無害
Q5:浴室のタイルや水切りかご等が黒くなる
原因
浴室のタイル、トイレ、洗面所等の衛生陶器やホースの内面、タオルなど常に湿った状態にある場所では、空気中の細菌やカビ等が繁殖し、黒く着色する。(注釈)このカビはクラドスポリジウム菌、オーレオパシディウム菌等で衛生的に良い状態ではない。
対策
清掃や換気を充分に行ってください。洗剤でとれない場合は漂白剤を使用してください。但し、浄化槽を使用している場合は、漂白剤の使用方法に注意してください。
Q6:哺乳瓶の乳首が黒くなる
原因
給水管や給湯設備に使用している銅管から水道水へ微量の銅が溶出し、乳首のゴム成分の硫黄と反応し、硫化銅が形成し黒色に変化する。また、空気中の細菌やカビ等の雑菌が原因となる場合もある。
対策
哺乳瓶の乳首をよく洗い、乾かしてください。黒く変化した場合は、乳児が使用するので新しい乳首と交換したほうが良いでしょう。
Q7:魔法瓶の中が黒くなる
原因
給湯設備から直接何回もお湯を注ぎ足すと、使用されている銅管等から微量の銅が溶出し、始めは青く、付着量が多くなるにつれて黒色を呈する。
対策
給湯栓からは銅が溶出しやすいので、給湯設備から直接お湯を入れないで水道水をやかん・ポット等に汲んでお湯を沸かしてください。
Q8:白い水が出る(数秒後に透明になる)
原因
水道水をコップに入れたとき、下のほうから徐々に透明になる場合は空気によるもの。給湯設備の場合は、水道水が急激に加熱され、溶存している空気が放出され、白濁することがある。
対策
空気による白濁は放置により透明になり、水質異常によるものではなく安全性に問題はありません。
Q9:アルミニウム製容器の内面に白い斑点が発生する
原因
アルミニウム製容器内面のアルマイト処理した被膜の劣化。アルミ素地が露出したため空気や水道水の酸素と結合し、白い水酸化アルミニウムが形成されたことによるもの。
対策
空焚きや金属たわし等で洗ったりせず、スポンジ等の柔らかいものを使用してください。水酸化アルミニウムは水に溶けず、安全性に問題はありません。
Q10:やかん、加湿器の吹出し口周辺、蛇口等に白い固形物が付着する
原因
水道水中のカルシウム、マグネシウムなどの硬度成分等が煮沸することにより析出し、やかん等に白いスケールを形成する。
対策
硬度の高い水質ほど析出量が多くなりますが、水のミネラル分であり、安全性に問題はありません。
Q11:氷の中央部に白い固形物が発生する
原因
水は外側から徐々に凍っていくので、水道水中に溶けている空気やミネラル分が中央部に濃縮され、白い浮遊物となって残ることがある。
対策
ほとんどが空気やミネラル分で安全性に問題はありません。
Q12:浴槽の水が青く見える
原因
海や湖が青く見えるのと同じで、太陽光線の可視光線によるもの。特にアイボリーやホワイト系の浴槽でこの現象が顕著にみられる。給湯設備に使用している銅管から銅が溶出している場合は、シャワーカーテン等にも青い着色を起こす。
対策
可視光線の場合は水の着色ではないので、水質的な問題はありません。浴槽の場合、お湯を飲用しない限り問題はありません。給湯設備の場合は、お湯を給湯配管から使用せず、水から沸かすと銅は混入しません。
Q13:洗面所やタイル等が青くなる
原因
給湯設備に使用している銅管類、青銅部材(砲金)、黄銅(真ちゅう)から銅が溶出し、石鹸の脂肪酸等と反応して青色の「銅石鹸」が生成し、洗面所やタイル等に付着するため。
対策
銅の溶出が著しい場合は、ステンレス管等への取替えが必要です。着色したタイル等は約10%アンモニア水を少量滴下し、よく拭き取り、食酢で中和し水でよく洗い流してください。布等が青く染まった場合は、70から80℃に温め、食酢に浸して脱色してください。
Q14:緑色の浮遊物が流出する
原因
FRP製の高架水槽などは、光を通しやすく、清掃など保守管理が不備な場合、内壁に藻類が繁殖し、藻被という膜が剥離し、給水栓から流出する場合がある。
対策
高架水槽や給水配管の清掃を行ってください。
Q15:飲み残しのお茶が紫色になる
原因
水道水中の鉄がお茶の成分タンニンと反応し、紫色のタンニン鉄が生成することによる。
対策
タンニン鉄自体は有害ではありませんが、空気中の細菌やカビ等の雑菌が繁殖することがあるので、容器をよく洗ってから使用してください。
Q16:ふきんが紫色になる
原因
空気中に浮遊する細菌やカビ類が、汚れや湿気を帯びたふきんに繁殖して紫色のシミとなる。特に梅雨時等高温多湿の環境で発生する。
対策
ふきんを充分に洗浄し、雑菌が繁殖しないように乾燥させてください。定期的にふきんを煮沸洗浄することも効果があります。
Q17:浴室、タイル、トイレ、洗面所の衛生陶器がピンク色になる
原因
空気中の浮遊雑菌が生育するとピンク色の色素を形成することがあり、その菌が汚れや湿気の多い浴室等で繁殖する場合に起こる。
対策
湿気の多い浴室等の水周りの清掃、換気を充分に行ってください。漂白剤の使用も効果がありますが、浄化槽を設置している場合は使用上の注意が必要です。
Q18:カルキ臭(塩素臭)がする
原因
水道水は衛生上、塩素消毒が義務付けられているため、残留する塩素によって塩素臭を感じる。配水地域や個人差によって感じ方に多少の差があるが、衛生的に給水されていることを意味している。
対策
塩素臭は水道水が病原菌等の汚染から守られた安全な水である証拠で、この臭気が気になる場合は、煮沸後、冷やすことで解消されます。また、家庭用浄水器でこの臭気を除去する性能を有する製品もあります。
Q19:金気臭がする
原因
水道水に鉄、銅、亜鉛等の金属類が多く含まれている場合に発生する。特に配管中での滞留時間が長い地域では、開栓時に溶出した金属が金気臭を発生させる。水源に地下水を使用している場合は、鉄細菌の存在で金気臭が発生する。
対策
開栓時の水をしばらく捨水するか、腐食の進んだ給水管では布設替えが必要です。
Q20:シンナー臭、灯油臭がする
原因
塗料や接着剤が溶出し、水道水に着臭する場合や、塗装工事で使用したシンナーや灯油等が土壌に侵み込み、塩化ビニル管やポリエチレン管等の給水管を侵して、水道水に影響を与える。
対策
この汚染は深刻なケースが多いため、水道事業所まで連絡してください。
Q21:かび臭がする
原因
停滞水域の湖沼や貯水池で、夏期に藍藻類や放線菌のある種が異常繁殖を起こし、かび臭障害を起こす。また、大雨による河川増水で河床の底泥が巻き上げられて、水にかび臭や土臭をつけることもある。
対策
かび臭は、腐敗菌や病原菌のような不衛生なものではなく、河川や湖ならどこにでもいる微生物が細胞内で産生した物質であり、安全性に問題はありません。
Q22:油様臭がする
原因
給水管の新設や布設替えの工事で使用する切削油に起因するもので、工事終了後、給水管に臭いが付着している場合があり、水道水の着臭の原因となる。
対策
臭いが感じなくなるまで捨水して使用してください。受水槽の汚染やクロスコネクションの可能性が疑われ、捨水により臭いがなくならない場合は、至急に現場調査が必要ですので水道事業所まで連絡してください。
Q23:収れん味、苦味・渋味がする
原因
金気臭同様、配・給水管や給湯設備の管材から鉄、亜鉛、銅等が溶出することに起因し、特に開栓時や水の停滞する管末でこの現象がみられる。
対策
開栓時の水をしばらく捨水するか、管の布設替えおよび更生が必要です。
Q24:ガラス製容器に光る針状浮遊物がある
原因
「フレークス現象」として知られ、水道水中のマグネシウムとガラス容器のケイ酸が反応し、生成したケイ酸マグネシウムが表面で沈着する。これが繰り返され、水中に剥離したものが浮遊するため。
対策
この現象が発生した場合は、食酢を約10倍に薄めて入れ、1時間程度放置後、柔らかいブラシで洗ってください。なお、お湯を何回も注ぎ足して使用すると発生しやすくなります。
Q25:汲み置きした容器がヌルヌルする
原因
時間とともに残留塩素が揮散し、容器内で雑菌が繁殖したためにヌルヌルする。
対策
長時間の汲み置きは避けてください。また、容器はよく洗って乾燥させ、保管してください。
Q26:泡立ちがしばらく放置しても消失しない
原因
勢いよく水を出すと、空気が巻き込まれ、泡立つことがあるが、この場合はしばらく放置すると消える。泡が消えない場合は、食器等に付着した洗剤が原因と考えられる。
対策
洗剤は標準使用量を守り、すすぎを十分に行ってください。
Q27:灰色の異物が出る
原因
配・給水管工事の際、塩化ビニル管布設時の切り屑およびシールテープが剥離した場合に起こる。
対策
通常は一時的な現象で、しばらく捨水しながら、異物流出の有無を確認してください。
Q28:残留塩素が検出されない
原因
水道使用量の少ない末端の配水地域では、水が停滞しやすく、残留塩素が検出されにくい場合がある。また、受水槽を設置している学校、ビル等で水道水の使用量が少ないと残留塩素の低下が生じる。
対策
受水槽を設置している場合は、定期的な水質検査を行い、適正な管理と運用が必要です。
Q29:魚がへい死する
原因
水道水の残留塩素が大きな原因。また、水槽の水の入れ替えの際の急激な水温差等の環境の変化も原因となる。養殖池等では、土砂等混入による溶存酸素の低下や農薬の混入等が考えられる。
対策
残留塩素は、適量のチオ硫酸ナトリウムを添加するか、太陽光で揮散させれば除去できます。
Q30:濁り、砂、砂利が混入する
原因
配・給水管等の水道工事の際、不十分な清掃作業により、砂や砂利が残る場合がある。また、クロスコネクション、受水槽、高架水槽の管理不良による場合もある。
対策
開栓時の水をしばらく捨水してください。また、受水槽および高架水槽の管理上の問題がある場合は保守管理の徹底を図ってください。
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