産婦人科医療の現状と課題
茨城県の産婦人科医数は、平成28年12月末現在で208人であり、人口10万人対では7.2と全国平均の8.6を下回っています。しかし、当地域については、水戸市に医療機関の一定の集積があるため、全国平均を上回る状況にあります。
区分 | 平成18年 | 平成20年 | 平成22年 | 平成24年 | 平成26年 | 平成28年 |
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全国 | 9,592 | 10,012 | 10,227 | 10,412 | 10,575 | 10,854 |
7.5 | 7.8 | 8.0 | 8.2 | 8.3 | 8.6 | |
茨城県 | 189 | 196 | 199 | 201 | 200 | 208 |
6.4 | 6.6 | 6.7 | 6.8 | 6.8 | 7.2 | |
県央地域 | 53 | 53 | 59 | 62 | 55 | 65 |
7.4 | 7.4 | 8.2 | 8.6 | 7.7 | 9.1 |
上段:実数(人) 下段:人口10万対医師数(人)「医師・歯科医師・薬剤師調査」(厚生労働省)、「茨城県医師・歯科医師・薬剤師調査」(茨城県)より
周産期
圏域内には、産科医療機関が17箇所あります。これらは正常分娩を取り扱うもので、そのうち10箇所は水戸市内に集中するなど地域偏在が顕著となっています。
早産や他の疾病との合併症などリスクの高い妊婦を受け入れる医療機関は、総合周産期母子医療センターの指定を受けている水戸済生会総合病院と、地域周産期母子医療センターの指定を受けている水戸赤十字病院の2箇所ですが、日立製作所日立総合病院のリスクを伴う出産の受け入れ制限の影響もあり、県北地区のリスクのある妊婦も多く受け入れている状況にあります。
圏域内においては現在、これらの産科医療機関と総合周産期母子医療センター等が、それぞれが持つ機能を分担しあい、緊密に連携しながら周産期医療体制を維持しています。
しかし、産婦人科の新規開業はここ20年間全くなく、平均年齢は小児科同様60歳を超えるなど高齢化が進んでいます。この状況は、5年、10年後の将来を考えると危機的状態であり、周産期医療体制の崩壊の可能性も否定できません。
婦人科
圏域内において、婦人科系の手術を取り扱う医療機関は少なく、水戸赤十字病院や水戸済生会総合病院、茨城県立中央病院等の大きな病院のみとなっています。また、県北地区における取扱医療機関は皆無に等しく、特に、悪性腫瘍については、主に茨城県立中央病院が一手に受け入れている状況です。
このように、県央・県北地区に対応可能な医療機関が少ないため、患者が集中し、予約が取りにくい、混雑が激しい、やむを得ず県南や県外で受診しなければならないなど、患者の負担は大きいものとなっています。
圏域住民が安心して子どもを産み育てられる環境を整えるためには、周産期医療及び婦人科医療の安定的提供体制の確保について、圏域全体で連携し支える取組が重要です。
茨城県央地域定住自立圏共生ビジョンにおいては、喫緊の対応策として、水戸赤十字病院の産婦人科医確保のための経費について財政支援を行うこととしています。
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