看護師の現状と課題
茨城県の看護師は、平成28年12月末現在で19,958人、人口10万人対では687.0と全国平均の905.5を大きく下回り、全国44位という状況です。
区分 | 平成18年 | 平成20年 | 平成22年 | 平成24年 | 平成26年 | 平成28年 |
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全国 | 811,972 | 877,182 | 952,723 | 1,015,744 | 1,086,779 | 1,149,397 |
635.5 | 687.0 | 744.0 | 796.6 | 855.2 | 905.5 | |
茨城県 | 14,327 | 15,562 | 17,092 | 18,646 | 19,675 | 19,958 |
482.1 | 525.0 | 575.5 | 633.6 | 674.0 | 687.0 | |
県央地域 | 5,448 | 5,773 | 5,944 | |||
755.6 | 803.6 | 832.2 |
上段:実数(人) 下段:人口10万対医師数(人) 「茨城県保健福祉部 平成28年度保健師助産師看護師の現状」より
看護師国家試験の合格者数は毎年5万人ほどで、准看護師試験の合格者も含めると新しく看護師になる方の数はさらに多くなり、看護師数は年々増加しています。
しかし、看護師の離職率は毎年11%前後で推移しております。そのため、国家資格を持っていながら、仕事に就いていない潜在看護師が約70万人にも上るとされていますが、数字の上では、新たに増える看護師と転職・復職する看護師の人数の方が多いことから、看護師数がマイナスになることはありません。
では、なぜ実際の医療現場では看護師が不足しているのでしょうか?
看護師は、急患が入ると退勤時間になっても退勤できなかったり、夜勤があったりするなど変則的な勤務時間であり、離職の理由の一つとして挙げられます。また、医師が行ってきた注射や点滴を行うようになるなど職務内容の高度化や、カルテの整理や記録等に費やす時間が増えるなど多忙化していることも理由として挙げられます。
さらには、超高齢社会を迎え、認知症の高齢者が増えるなど患者の病状が変化しているのも原因として挙げられます。目が離すことができないために付きっきりでケアを行うことや重症人が増えているなどが原因で、病院内の一人当たりの業務の負担が大きくなってしまっているのが現状です。
離職のほか、日々の業務の増加による人手不足の状況がさらに看護師不足を引き起こしています。その結果、病院では病床を減らしたり、患者の受け入れを制限したりする事態が発生し、私たち住民にも影響を及ぼします。医療を安定的に提供するためには、看護師等の確保が急務です。
看護師確保対策として、一番には労働条件や職場環境などの待遇改善ですが、すでに看護師資格を持っている潜在看護師70万人に復帰してもらえば、問題は解消に向かうとも考えられます。しかし、結婚・出産を経た看護師にとって、育児と家事、仕事の両立は難しく、出産後復職したくてもできない看護師が多くいることが、離職率の増加に拍車をかけているのが現状です。
茨城県央地域定住自立圏共生ビジョンにおいては、茨城県看護協会等と連携し、まず看護師の再就職のきっかけづくりを図り、看護師等の確保を進めていくこととしています。
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