いじめを予防すること、命を守ること ~多様な「ひとが咲くまち」に~
この世に生まれてきた私たちは、一人一人が、かけがえのない存在です。
誰一人として、生まれてこないほうがよかった、などという人はいません。
ですから、いじめられてよい人、傷つけられてよい人など、いてよいはずはありません。
誰かをいじめたり、傷つけたりすることは、決して許されないことです。
いじめは、誰かが失敗したな、ちょっと違うな、という空気になったときに現れます。
その誰かが、他の人と同じようなことを言えなかったり、同じような動きができなかったり。
すると、まわりがあざ笑ったりバカにしたり、いじったり、それに同調する人が広がっていったり。
でも、その空気をおかしいと判断できることが、正常な感覚なのではないでしょうか。
学校は、分からないことがあるから通う場所、極端に言えば、間違いに行く場所です。
授業中に、誰かが間違ってくれるおかげで、みんなの学びは深く確かなものになります。
ですから、間違ったとしても、それはみんなの役に立つことなのです。
分からなかったり間違ったりしても、それは恥ずかしいことではありません。
分かったふりをして、そのままにすることのほうが恥ずかしいことです。
一人一人が自分らしくありのままで暮らせること、それが「人権」が守られているということです。
ありのままに笑顔で暮らすことが許される場所、それが「居場所」ではないでしょうか。
教室が、学校が、誰一人取り残すことなく、みんなの居場所になっていることがとても大切です。
人のありのままを笑ったりバカにしたりいじったりしてよい、なんて資格は、誰にもありません。
いじめには、いじめる人、いじめられる人、見ているままの人が存在します。
いじめは、特にいじめられた人とその家族の心に、深い傷を重く長く残し続けます。
ですから、いじめは予防すること、起きてしまったときはそのままにしないことが重要です。
いじめがあったとき、真っ先に大事なことは、いじめられている人を守ることです。
いじめを受けたとき、見聞きしたときは、先生、友達、先輩か後輩、家族の誰かに伝えましょう。
または、相談ポストに入れるなど、知恵をはたらかせて、誰かに伝えましょう。
いじめた人にも、感情がおさえきれなかった何らかの理由があったのかもしれません。
しかし、だからと言って、いじめてよいことには決してなりません。
誰かを見下すことで、自分の気持ちを満足させたり優越感にひたったりするのは、差別です。
それは、他人の人権をおかしていることで、決して許されることではありません。
仲間とのふれ合いをとおして、相手の気持ちを自分におきかえて考えられる人間になりましょう。
いじめを見ているままの人も、関係なくはありませんよね。
ひたちなか市は、シビックプライドを高めることによる、よりよいまちづくりを目指しています。
自ら考え行動しよりよい社会の創造に貢献する市民としての誇り…それがシビックプライド。
自分たちの中からいじめが起こったのを見て見ぬふり、というのでは、誇りはもてませんよね。
いじめる人もいじめられる人も出さない、人の痛みが分かる、思いやりにあふれた集団づくりを!
そのためには、いじめたり見ているままだったりの空気より、助けようとする勇気が重要です。
一人一人は多様でも、同じ人間として、お互いを認め尊重する空気を、みんなで育てましょう。
令和6年5月
ひたちなか市教育委員会教育長 秋本 光德
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